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Co-60 ガンマ線照射施設

(文責:K.Y, 2018/1更新)

 総保有線源の強度は約 1.8PBq (2016/04/01現在) と極めて高く、 これは日本の研究施設としては量子科学技術研究開発機構 高崎量子応用研究所 コバルト60照射施設に次いで、西日本では最大規模で、大学の施設としては日本最大です。

さらに、照射プールでの水中照射が可能であることから、 冷却が必要な強力な線源を円筒状の容器周辺に配置することにより、 中心に設置した水密容器内で極めて高い線量率(~50kGy/h)を実現しており、 これは日本の研究施設では最高の線量率となっています。

ガンマ線照射を行う施設は、下表に示すとおり能力の異なる 4 つの照射室(ホットケーブ)および 1つの照射プールから構成されています。 これらは次のような特徴を有しています。

(1)研究開発を目的とする様々な照射条件に適合するように設計されている。
(2)使用する照射室、線源、距離の選択で、低線量率から、国内最高の高線量率までの照射試験を行うことができる。
(3)円筒形線源容器に線源を配置することで、均一な線量率の照射が可能である。 
(4)ケーブル、配管などを照射室外に引き出し、照射中に各種の測定・制御を行う必要がある試験が可能である。
(5)第1、第4照射室にはマニピュレーターが備え付けられており、照射中に操作が可能である。
(6)一日24時間、連続での照射が可能である。

●照射利用の例

  • 耐放射線性試験
    トランジスタ、ICなどの各種電子部品、機器の照射試験、 原子力発電所などで使用されるロボット、カメラやレンズなどの光学部品、 光ファイバー、計測機器、ケーブルなどの試験

     

  • 線量計の校正
    放射線測定器、線量計の特性試験

     

  • 着色や励起
    ガラス・真珠・宝石等の着色、熱ルミネッセンスによる古陶磁の評価、石英による年代測定

     

  • 改質、放射線化学反応の利用
    電線、CDパッケージ、色インジケーターの開発、楽器部品の改良等

     

  • 生物の照射
    植物の突然変異種、微生物の改良、食品、医療器具、動物飼料等の滅菌
    ※ただし、食品、香辛料については世界中で広く利用されていますが、 日本ではジャガイモを除き、一般に販売することが許可されていません。

     

  • 動物(マウス)への照射
    動物実験施設では、飼育室と実験室のほかX線照射室や組織培養室等が配置され、 主にマウスを用いて放射線障害や障害防護・回復の研究が行われています。
    実験動物を飼育したり動物実験を行う場合については、動物愛護の精神を踏まえ、 関係法令のほか「研究開発機構動物実験指針」(暫定)を遵守し、 科学的、倫理的並びに動物福祉の観点からも適正な動物実験が行われるように努めています。 なお、この動物実験施設の利用にあたっては「研究開発機構動物実験委員会」の承認を必要とし、 学内の利用のみとさせていただいています。

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