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放射線損傷

熱物性評価

 核融合炉に使用される機器のひとつに"ダイバータ"と呼ばれるものがあります.このダイバータは核融合を行う際に排出される不要な粒子を排気することが主な役割です.しかし,ダイバータは核融合時に発生する中性子にさらされると同時に,炉心から非常に高い熱負荷を受けます.そこで本研究室では,このダイバータに使われる材料の放射線損傷時における熱物性評価(熱拡散率評価)を行っています.

 具体的には,熱拡散率測定装置を用いてレーザーフラッシュ法に基づき材料の熱拡散率測定を行います.近年では測定を行う材料の微小化(放射能の低減)が進んでおり,現在は熱拡散率測定装置で正確な熱物性評価が可能な解析手法の確立を目指しています.

​(文責 M.Y 2018.2)

​陽電子寿命測定

 陽電子寿命は 放射性同位元素22Naがβ+崩壊した際に陽電子と同時に放出される1.28MeVのγ線をスタート信号,陽電子が電子と対消滅する際に放出される0.511MeVのγ線をストップ信号として2つの時間差を計測することで求められます.

 この陽電子寿命は陽電子が消滅するサイトの電子密度に依存します.材料中に空孔欠陥が存在する場合,周りと比べ負のポテンシャルを持ち,正の電荷を持つ陽電子はトラップされ消滅します.空孔欠陥では電子の密度は低いため,陽電子寿命は長くなる性質があります.

​ このように陽電子寿命測定は材料中の空孔欠陥の有無を判定したり,欠陥のサイズを推定することが出来ます.(文責 H.A 2018.2)

 熱拡散率測定装置 TC-7000

​微小試験片(TEM disk サイズ)を用いた陽電子寿命測定法

 特に本研究室では単体の微小試験片(TEM disk サイズ)の試料を陽電子寿命測定できる手法の確立に力を入れています.微小かつ単一の試験片を測定可能にすることで試料の放射化や照射場が限られる材料開発の現場においてより力を発揮することが出来ます.
(文責 H.A 2018.2)

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